金属アレルギー外来・銀歯等の歯科金属によるアレルギー

審美歯科/歯科金属アレルギー外来・やよし歯科クリニック

あなたの皮膚の症状は歯科金属によるアレルギーかもしれません。

1.はじめに

下の写真を御覧下さい。歯科金属が原因で起こった皮膚症状です。金属を除去したところ皮膚症状は徐々に改善していったことが分かります。

■金属アレルギー ケース1
初診時の皮膚症状 パッチテストでHg(水銀)に陽性反応を示した 約1年後の皮膚

■金属アレルギー ケース2
 
初診時の皮膚症状
パッチテストの結果 Co(コバルト)、Ni(ニッケル)に陽性を示した
金属を除去したところ、症状は徐々に改善した  

2.それでは金属アレルギーはどうして起こるのでしょう?

まずお口の中の銀歯が溶け出して金属イオンとなります。
その金属イオンが体のタンパク質と結合し、「異物」と見なされます。それが体の免疫機構から攻撃を受け、体に障害や炎症を引き起こします。これがアレルギーで、全身のどこにでも起こる可能性があり、花粉症のように、ある日突然発症する可能性があります。

3.この「見いだし症候群」に当てはまる方は金属アレルギーの可能性があります

<見い出し症候群>

  • 皮膚科で長期間治療しているがなかなか治らない皮膚・粘膜疾患がある
  • 普段からアクセサリーなどの金属製品にかぶれやすい
  • 歯科治療で金属を入れた後に発症したような気がする

4.当クリニックの金属アレルギー外来での治療の流れ

カウンセリングの結果、金属アレルギーが疑われると判断したら、以下のような検査、治療を行っていきます。

1.パッチテスト

患者さんが希望され同意が得られた場合に行います。当クリニックでは17種類の金属の試薬を貼付します。

Al(アルミニウム)、Co(コバルト)、Sn(スズ)、Fe(鉄)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Mn(マンガン)、In(インジウム)、Ir(イリジウム)、Ag(銀)、K(カリウム)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)、Au(金)、Cu(銅)、Hg(水銀)

銀歯はいろんな成分からできています。一般的によく使われている銀歯は、金銀パラジウム合金(略して金パラ)ですが、金パラはAu(金)、Pd(パラジウム)、Cu(銅)、Ag(銀)、Zn(亜鉛)、Ir(イリジウム)、Sn(スズ)、In(インジウム)などからできています。

どの金属イオンに対してアレルギーがあるのかを、パッチテストを用いて調べます。
パッチテストは背中で行います。また2日間、背中に貼ったままで2回目の判定が終わるまでは入浴できません。

(例)月曜、当クリニックでパッチテスト開始

↓2日後

水曜日の朝、御自分で検査用のバンソウ膏をはがす。
その日に来院して1回目の判定

↓翌日

木曜日、来院して2回目の判定

↓さらに4〜6日後

翌週の月〜水曜日、来院して3回目の判定

特にPd(パラジウム)などは1週間ぐらいして反応が現れることもあるので、しっかり3回目までの判定が必要となります。

 

2.DMAテスト

パッチテストでどの金属にアレルギーがあるのか判明したら、DMA(デンタルメタルアクティビティ)メーターを用いてお口の中のどの銀歯が溶け出しているのかを調べます。前述しましたように銀歯が溶け出してイオン化していないと金属アレルギーは起こりませんので、DMAメーターを用いて銀歯の溶出傾向を測定します。
現在、金属アレルギーの症状がない方も、DMAテストで、お口の中の銀歯が溶け出していないかどうか調べる事はとても有意義な事です。


3.成分テスト

さて次に、溶け出している銀歯をつきとめたら、本当にその銀歯の中にアレルギーの原因となっている金属が成分として入っているのかどうかを調べます。咬み合わせの影響がない範囲でサンプルを採取し、国際金属アレルギー研究所に成分分析の依頼をします。

  成分分析用のサンプル

 

4.抗原除去療法

アレルギーの原因となる金属イオンが溶け出している銀歯をつきとめたら、今度はそれをアレルギーを起こさない材質のものと交換してあげることが必要となります。これを抗原除去療法といいます。

代替材料としては金属を含まないセラミックスやハイブリッドセラミックスなどを使用することが多いです。

また、さし歯(冠)をかぶせる場合、さし歯を補強するため金属の土台が昔からよく使われていましたが、たとえさし歯の中にあってもこの金属の土台が溶け出し(イオン化)、金属アレルギーを引き起こしている場合が少なくありません。このような場合、当クリニックでは、グラスファイバーを用いたファイバーポストコアという、金属を使わない土台を選択することも可能です。

◆ファイバーポストコア ◆メタルコア

5.お気軽に御相談下さい

以上、金属アレルギー外来の流れを大まかに御説明しましたが、金属を除去したからといってすぐに皮膚炎症が改善するわけではありません。早くて2〜3ヶ月、長い場合では1〜2年かけて徐々に良くなっていく場合もあります。私どもスタッフ一同、金属アレルギーで悩んでおられる患者様のお力になれるよう、時間をかけてじっくりと精一杯頑張りたいと思います。自分は金属アレルギーではないか、今は特に症状はないが、将来金属アレルギーになるのが心配という方も、まずはお気軽に御相談下さい。

なお、写真については、井上昌幸先生監修の「GPのための金属アレルギー臨床」からお借りいたしました。ありがとうございました。

6.費用について

一般歯科では、パッチテストは保険が効きませんので、DMAメーターとセットで\20,000(税込み)となります。国際金属アレルギー研究所の成分分析依頼は別途、サンプルの数に応じて費用がかかります。金属の代替材料として使われるセラミックスやハイブリッドセラミックスについては、審美歯科のページをご覧下さい。

7.院長より

金属アレルギーに本格的に取り組み始めて約3年程経ちました。 もともとやりはじめたきっかけは、僕自身に昔から顔や背中などに湿疹があり、ステロイドを長年塗っていたんです。うちに勤めていたアルバイトの先生に、僕の口の中の金銀パラジウム合金の金属をゴールドやセラミックスに全てやりかえてもらいました。するとそのうち湿疹がなくなっていることに気がついて、改めて歯科金属アレルギーってあるんだなあと身をもって実感したのが取り組み始めたきっかけです。

この3年間に金属アレルギーを主訴として来院された患者さんは2008年2月の時点で93人になります。九州各県から来院していただき、遠くは鹿児島県からも来ていただきました。そのうち81人がパッチテストとDMAメーター検査を受けられました(残り12人はカウンセリングのみ)。 その結果口腔内の金属を除去して、セラミックス等の代替治療を受けられた方が57人になります。24人の方は遠方のため、検査結果を持って地元の歯科医院に戻られました。

この57人の患者さんの皮膚症状等の改善のデータは遠方の方や連絡が取れない方もおられるので正確には分かりませんが、2割の方がすっかり皮膚症状が消えた、4割の方は何となく良くなった気がする、2割の方は現時点では全く改善が見られない、残り2割の方は連絡が取れず不明といったところでしょうか。

金属アレルギーについては患者さんの写真を全く撮っていません。悩んでおられる様子を見ると「写真を撮らせて下さい」とは言えなかったからです。 代替治療を終えて皮膚症状が消えた患者さんから「ずっと悩んでいたのが治ってうれしい。ありがとう!」と言われると、金属アレルギーをやり始めてよかったなあと思います。これからも頑張って取り組んでいきたいと思います。